さらば! ダニ、カビ。
人間の体は食物と酸素の摂取によって生まれた熱を、輻射や発汗という形で絶えず放熱して体温を一定に保っています。ところが、家の中が高温高湿や低温低湿の状態になってしまうと、発汗による水分蒸発量がうまくできなくなり、体温調節や生理機能の維持にも影響が出ます。つまり、発汗を適度に促す環境は健康維持に必要不可欠であり、それを可能にするのが住まいの「調湿」なのです。
気密性・断熱性の高い住宅は、ちょっと調湿を怠ると高湿・高温に偏った環境になりがちで、壁内や床下では結露などによるカビが発生。カビをエサとするダニも繁殖し、アトピーやぜん息などのアレルギー疾患の原因になるのです。その点、木材はそれ自体が優れた調湿機能を持っていますから、湿度を低く保つことができます。しかも、木材に含まれる香り物質である「精油」がダニの繁殖や行動を抑制することもわかっています。精油は※フィトンチッドの一種であり、精神を安定させて脳や体をリラックスさせる効果も高いので、まさに一石三鳥というわけです。
※フィトンチッドとは、樹木から発散される物質で、副交感神経を刺激して精神を安定させ、活発に流れる脳の血流量を適量に抑え、脳や身体をリラックスさせるのです。ちなみに、フィトンチッドはスギやヒノキなどの針葉樹のほうが7倍も多く放出するそうです。