コンクリート? 金属? それとも木?

 静岡大学農学部の研究グループが行った興味深い実験があります。木製、金属製、コンクリート製という3種類のケージ(巣箱)に子マウスを飼い、生存率や繁殖について調べたのです。実験開始後10日目の生存率は、木製ケージが9割ほどあるのに対して、金属製ケージでは5割弱、コンクリート製のケージでは1割にも満たないという結果でした。コンクリート製ケージは生存率が極端に悪いだけでなく、子ネズミの成長や繁殖のデータも劣っていることがわかりました。

 

 この実験結果をそのまま住宅に当てはめるわけにはいきません。しかし、ケージ内の温度や湿度に材質間の差がなかったにも関わらず、体表面が接する床面温度の差によって体熱損失の差が大きくなったという事実や、素材による吸湿性の違いなどが成長や生存に影響を及ぼした可能性は極めて高いといえます。住居の構成材料の居住性と生理的、心理的な影響を考える参考になりそうです。

 

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