ログハウスだけでなく、どんな建物でもメンテナンスは必要ですが、ログハウスには特有のメンテナンスがあります。これは、ログハウスが自然素材を使用している家だからです。
大切な家を長持ちさせるために、適切なメンテナンスを定期的に行う必要があります。
愛情をもってお手入れすれば、ログハウスは耐久性に優れた建物になります。ではどのようなメンテナンスが必要なのでしょうか?
ここではログハウスのメンテナンスについてご紹介します。
ログハウスに必要なメンテナンス
ログハウスに必要なメンテナンスには、主に「塗装」と「セトリング対応」があります。
塗装
そのためログハウスの外壁やテラス、バルコニーなどには、撥水や防腐性能のある木材保護塗料を塗装する必要があります。
最初の再塗装は、使用する塗料にもよりますが、新築から3~5年程度で行います。その後は5~7年に1回程度で再塗装します。
ログハウスの再塗装は、「洗浄」「乾燥」「塗装」の工程に分かれます。
塗装の工程では、ブラシを使って水洗いをすることで、ログ壁の溝や木目にたまった汚れやほこりを落とし、塗料ののりを良くします。
洗浄が終わったら数日放置してしっかりと乾燥させたうえで塗装をします。
再塗装はご自身で行うのも良いですが、建物の規模などにより困難な場合は、担当の施工店に相談してみましょう。
ヤニ取り
自然素材である木ならではの特徴として、「ヤニ」があります。
ヤニは樹液のことで、特に松科の樹木に多く含まれています。
ログハウスにはよく見られるもので、気温が高くなると、固まっていたヤニが温められ、木の表面や切り口から染み出してくることがあります。
人体には全くの無害なのですが、ベトベトしているので服についたり、塗装が剥がれやすくなってしまうこともあるので、再塗装の際に取り除く必要があります。
ヤニの除去には2つの方法があります。
- ヤニ取り剤等を使用してふき取る
- ヤニが固まっている状態で剥し取る
ヤニは専用のヤニ取り剤やシンナー、エタノール等を使用することで溶かすことが出来ます。
気になる部分にヤニ取り剤等を塗布して融解したところを擦るように拭きとってください。
もう一つの方法は、固まっているヤニをヘラなどで剥し取る方法です。
冬等の寒い時期になると、ヤニが冷えて固まり、取れやすくなるので、木の表面で固まっているヤニをヘラなどで優しくこすって剥していきます。
セトリング
これをセトリングと言い、定期的にメンテナンスをする必要があります。使用するログ材などにもよりますが、一般的にセトリングは2年~3年程度でほぼ納まり、マシンカットの場合はログ壁全体で2%~3%程沈みます。
特に、まだ含水量の多いログハウス完成直後は、セトリングの影響が大きくなります。
また、ログの種類によっても収縮の大きさは異なり、ハンドカットログはセトリングが大きく、反対にマシンカットのログでは小さい傾向があります。
ログエンドや梁に通っているボルトを締めたり、階段を調整したりして、セトリングに対応します。
メンテナンスの方法
ここからは、それぞれの場所に応じたメンテナンス方法についてご説明します。
柱
室内やテラスにある柱のほとんどが木製です。
木は確かに乾燥によって収縮しますが、縦方向に縮むことはほとんどありません。つまり、柱はセトリングによって高さが変わるわけではないのです。
ログハウスで使用する柱の上部または下部には、セトリングに対応できるようにジャッキボルトが付けられています。セトリングによって高さに差が出てきたら、状態に応じてジャッキボルトで調整できるようになっています。
建具
階段
階段のセトリング対応にはいくつか方法がありますが、階段下部にスペーサーという板を挟んでおき、下がってきたら板を抜いて調整したり、1階または2階床と階段を固定せずスライドさせるといった方法があります。
屋根
ログハウスの屋根に使用される屋根材は、一般的にアスファルトシングル、コロニアル、鋼板や瓦を使っています。
材料によって耐候性や耐久年数は異なりますが、状態次第で塗装や張り替えが必要です。
また、定期的なメンテナンスをしていないと屋根材が劣化し、屋根構造や室内に雨水が侵入する可能性もあり、雨漏りの原因となります。
バルコニー・テラス
その為、外壁同様、定期的に木材保護塗料を塗装する必要があります。
また、手すりや床板などが汚れた場合には、ブラシなどを使って落とすことが出来ますが、しみついてしまった場合にはヤスリをかけるなどで綺麗にすることが出来ます。
フローリング
無垢材の色をそのまま残したいのであれば、透明塗料やワックスなどで定期的に塗装します。
また、自然素材にこだわるのであれば蜜蝋や柿渋などを使うこともあります。
水回り
薪ストーブ
煙突の手入れをしていないと煙突内にすすやタールが溜まり、うまく排煙が出来なくなってしまい、室内に煙が漏れる恐れがあるほか、煙道火災が起きる可能性もあります。
また、煙突以外にも薪ストーブ本体のお手入れも大切です。
特に、薪ストーブを使用する冬になる前に、専門業者に依頼をして煙突掃除を行いましょう。
まとめ
今回はログハウスのメンテナンスについて説明してきました。
ログハウスは一般的な住宅と比べると、特有のメンテナンスが必要な建物ですが、どんな建物や素材でも、長持ちさせる為には、メンテナンスが必要不可欠です。
ログハウスはそんなメンテナンス自体も楽しむことが出来る魅力がありますが、困ったらプロに相談するのが一番です。
丁寧なメンテナンスを続けていくことで、建物に味が出てきてより長く使える愛着のある家になっていきます。
TALOでは標準施工費に2年間・計3回のメンテナンス費用(点検・ボルトの増し締め)が含まれていますのでご安心ください。