ログハウスと相性の良い薪ストーブは、炎の揺れを楽しんだりインテリアとして設置したりと、暖を取る以外でも人気のある暖房器具です。
この記事では、薪ストーブとログハウスの相性や、薪ストーブを実際に設置した、TALOの実例集とともに「薪ストーブ×ログハウス」の魅力についてお話しします。
薪ストーブの設置費用やランニングコストの市場価格の相場についても解説しますので、導入を考えている方はぜひ最後までご覧ください。
※TALOインターナショナルでは薪ストーブの取り扱いはございません。薪ストーブに関するお問い合わせは、各薪ストーブメーカー及び販売店にお問い合わせください。
薪ストーブはログハウスと相性抜群!
ログハウスのインテリアとしても相性が良い薪ストーブですが、その理由はデザインだけではありません。
快適な暖かさを維持できる
ログハウスの壁面に使用されている木材は、蓄熱性が高く熱伝導率が低いという特徴を持っており、一度暖まると冷めにくい素材です。蓄熱性とは、熱を蓄える性能のことで、ログハウスは一度暖まると、しばらくその熱を蓄え続けることができるので、暖房や薪ストーブを消した後も家全体で暖かさを保つことができます。
おしゃれな雰囲気を演出できる
薪ストーブといえば山奥のコテージやロッジを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?薪ストーブはログハウスと親和性が高いデザインが多くあります。そのため、ログハウスを建てる人の中には、薪ストーブを暖房器具として使うだけではなく、インテリア目的で選ぶ人もいます。さらに、薪ストーブのタイプやデザインをこだわることで、アーリーアメリカンなインテリアや北欧風のインテリアなど、海外風のおしゃれな空間を作り出すことができます。
環境にやさしい
木は光合成により大気中のCO2を吸収し、伐採した後も二酸化炭素を貯蔵するという性能も持っているため、木材をふんだんに使用しているログハウスは、環境にやさしい住宅といえます。
薪ストーブで使用する薪は、大気中のCO2を吸収し、焼却時にCO2を排出しますが、そのCO2を木が吸って育つというサイクルが出来上がっているので、地球上のCO2の量は変わらず、環境に負荷がかかることはありません。
一方、石炭や石油、ガスなどの化石燃料は、焼却時にCO2を排出した後に再生することはできないので、環境に負荷がかかってしまいます。
また、薪を燃焼した後の灰はアルカリ性で、土に混ぜれば酸性土を中和してくれる天然肥料となり、水と混ぜれば天然成分の殺虫剤となります。融雪剤としても使用できるため、燃焼後の灰も有効活用できるのです。
薪ストーブを設置しているログハウス実例
弊社でログハウスを建てるオーナー様の中でも薪ストーブを設置される方は多くいらっしゃいます。
薪ストーブにもさまざまなタイプがあるため、ログハウスとの魅力と合わせてご紹介します。
こだわりのセルフビルドログハウスとクラシックな薪ストーブ
オーナー様がセルフビルドした平屋のログハウスです。
シンプルながらに広々としたウッドデッキが魅力的な平屋タイプのログハウスで、室内にはオーナー様こだわりのロフトを設けています。
薪ストーブは、創業170年以上の歴史を持つ北欧ノルウェーのメーカー「JØTUL(ヨツール)」のゴシック調の扉が魅力的な定番モデルです。伝統を感じるクラシカルな見た目は、暖房器具としてだけではなく、見た目からもぬくもりを感じられます。ログハウス特有の木のぬくもりとの相乗効果で気持ちまでポカポカになりそうですね。
180°海が楽しめるログハウスと360°炎が楽しめる薪ストーブ
180°オーシャンビューを楽しめる開放的な間取りとリゾート感あふれる別荘ログハウス。内装は家具と合わせて北欧テイストを叶えるために薄い白塗装を施しているので、日本にいることを忘れてしまいそうな空間になっています。
薪ストーブは先ほどご紹介したメーカーと同じヨツール製ですが、こちらはスタイリッシュかつモダンなデザインとなっています。
360°炎を楽しむことができるタイプなので、揺れる炎とオーシャンビューの景色、ログハウスの木の香りで、非日常感も味わえそうですね。
開放的な都市型ログハウスとオーブン付きの薪ストーブ
一面ガラス張りと長い袖壁を組み合わせた前衛的なデザインのログハウスです。マットブラックの外壁と暖かみのある木目とのコントラストもあり、都市部にも溶け込むモダンな仕上がりになっています。
薪ストーブは、ホーロー加工会社からスタートしたデンマーク西のメーカー「Heta(ヒタ)」のデザイン性と機能性を兼ね備えたモデルです。上部の扉にはオーブン機能があり、グラタンやピザ、パンなどのオーブン調理ができます。また、天板には一定の温度を保つ機能があるため低温でじっくり火を通すような調理も可能です。ローストビーフのような低温調理など、暖房器具以外でも活躍します。さらに鋼板製のボディを蓄熱性の高いソープストーンが包んでいるため、保温性に優れているので、オーブンの温度も持続します。
薪ストーブの大きな扉では臨場感ある炎も楽しめるため、都市部にいながらも自然豊かな気分を日々味わえる空間になっています。
関連リンク「薪ストーブを設置しているログハウス一覧はこちら」
薪ストーブの本体価格や設置費用の市場相場
前項でご紹介したように薪ストーブには、機能・デザイン・サイズによってさまざまなものがあり、当然価格帯にも幅があります。
薪ストーブを導入するために、どの程度の費用が掛かるのか、本体価格と設置費用、それぞれの市場相場をご紹介します。
※TALOインターナショナルでは薪ストーブの取り扱いはございません。薪ストーブに関するお問い合わせは、各薪ストーブメーカー及び販売店にお問い合わせください。
薪ストーブの本体価格の市場相場
薪ストーブ本体の価格は、メーカーや機能・サイズによって、5万円程度から100万円以上までと、幅広くあります。例えば小型薪ストーブの場合、特にこだわらずに選べば5万円程度でも購入できますが、大型モデルやグリルやオーブンまで兼ね備えたクッキングタイプだと、100万円以上と高額になる傾向があります。
薪ストーブの設置費用の市場相場
薪ストーブを設置するには、床や壁に耐火・耐熱工事を施す必要があります。
工事費は施工内容の条件や依頼する業者によって異なりますが、20万円程度から60万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
新築工事中に設置するのか、それともリフォームによって設置するのかによっても工事費が変わってきます。
また、排煙のために必ず煙突を付けなければならず、煙突工事費や煙突本体の価格も考慮する必要があります。
煙突の価格も種類やメーカー、煙突の長さや工事の有無などによって異なり、30万円から60万円以上と幅広く費用を見込んでおく必要があります。
気になる方は、事前に工務店や薪ストーブ専門店に相談・見積依頼をすると良いでしょう。
薪ストーブ設置後にかかる費用の市場相場
薪ストーブは設置すれば終わりではありません。
エアコンや石油ストーブ、電気ストーブなどの一般的な暖房器具とは違い、薪などの燃料費やメンテナンス費用などが定期的に必要となります。
薪ストーブの燃料の入手場所と市場相場
薪ストーブの燃料となる薪は、ホームセンターやネットでも購入できます。
ただし、ホームセンターは専門店に比べ割高となりますし、ネット購入の場合には送料が高くなる場合もあります。
薪の相場は、種類や品質によってバラつきはあるものの、1束(約10~15kg)約600~1,500円で購入できます。一般的に冬の間フル稼働する場合は1ヶ月で3万円程度となり、住んでいる地域にもよりますが、1シーズン3ヶ月とするなら、10万円前後が1シーズンの燃料費となります。
石油ストーブやエアコンと比べると、薪ストーブのランニングコストはかなり高いといえるでしょう。
ただし、安く抑える方法もあります。
例えば、近所に製材店や工務店があるなら、材木の端材を譲ってもらったり、木造住宅を解体した時に出た廃材を譲ってもらったりすれば、薪を購入するよりもかなり安くなります。
端材や廃材は処分するにもお金がかかります。工務店側とすれば安価であっても引き取ってもらえるほうがありがたいため、格安で手に入れることもできるのです。
ただし、端材や廃材を薪に使用する場合は、集成材が混ざらないように注意してください。集成材は圧着する際に接着剤などの化学物質を使用しているため、燃やすことで室内に化学物質が排出される可能性があり、健康被害が出るかもしれません。
また、端材や廃材の場合、ストーブに入るサイズにカットしなければならず、薪割の手間がかかります。当然、薪割に必要な斧やチェンソーなどの機材も準備しなければなりません。
薪ストーブのメンテナンス内容と費用の市場相場
薪ストーブは、薪を燃やした灰がストーブ内に溜まるため、定期的に不要な灰を取り除いたり、ストーブの窓を拭いたりといった掃除が必要です。
また、煙突内にはスス(煤)が溜まるため、こちらも定期的に掃除をする必要があります。
日々のメンテナンスとしては、灰の量の調節や薪ストーブの気密性を保つガスケットの掃除です。これらのメンテナンスを怠ると、薪ストーブの燃焼効率が下がったり、不完全燃焼となったりします。
その他、薪ストーブを使用するシーズン前に、煙突とストーブの掃除を専門業者に依頼すると良いでしょう。
特に煙突掃除は自分で綺麗にススを取り切れないこともあるため、費用は掛かりますが、専門業者に依頼したほうが得策です。
煙突の掃除費用は、2万円から4万円程度となり、煙突の形状・長さ・平屋か2階建てかによって変わってきます。さらに、出張費なども請求されることがあるため、条件によっては1回の煙突掃除で5万円以上となる可能性もあります。
また、薪ストーブ本体の掃除も3万円程度かかるため、年間のメンテナンス費用は最低でも10万円は見込んでおきましょう。
設置位置ごとに最適な薪ストーブの選び方
薪ストーブは、部屋のコーナーに置いたり中央に置いたりなど、場所によって部屋の暖まり方が異なります。また、設置する場所ごとに適した薪ストーブの特徴も異なります。
薪ストーブを選ぶときは、あらかじめ薪ストーブ本体の特徴や設置場所を押さえたうえで選ぶようにしましょう。
コーナーに設置する場合
コーナーに薪ストーブを設置する場合、ストーブからの熱放射は90度と範囲が狭くなるため、室内を暖めるときに時間がかかってしまいます。
室内を広く使おうと思うと、どうしてもコーナーに設置しがちですが、ストーブの後ろにデッドスペースが出来てしまったり、熱がこもってしまったりといったデメリットもあります。
そのためコーナーに設置するときは、薪やメンテナンス用具などを置くスペースも考慮して、薪ストーブを置くスペースを確保しましょう。
メーカーによってはコーナーに置くことを考慮したモデルも販売されているので、参考にしてみては?
壁と並行に設置する場合
壁面に対して薪ストーブを平行に設置する場合、放射熱が壁面に邪魔されることがなく、熱放射角が180度と広くなるため、コーナー置きよりも効率よく部屋を暖めることができます。
並行設置をする場合は、室内の動線や家具の配置などを考慮し、奥行きのない薪ストーブのタイプがおすすめです。
部屋の中心に設置する場合
部屋の中心に設置する場合、壁面の耐火・耐熱を考慮する必要がないため、工事費を抑えることができます。その反面、煙突を支える方法を考慮する必要があり、煙突が長くなる傾向があるため、煙突の工事費が高くなる可能性も。
ただし、放射熱が全面遮られることがないため、熱放射角が360度と全方向となり、最も効率よく部屋を暖められます。
おすすめの薪ストーブは、ダルマストーブのような円柱タイプです。円柱タイプであれば360度どの方向からでもストーブを囲んで温まることができますし、四角い形状の薪ストーブよりも設置面積が少ないため動線の邪魔になることもありません。
薪ストーブは停電時のライフラインとしても有効
昨今、薪ストーブは停電時のライフラインとしても見直されています。冬場は特に停電が起こると寒さを防ぐのは一苦労です。
しかし薪ストーブであれば、電気はもちろん灯油やガスを使わずに暖を取ることができます。
また、薪ストーブの性能によっては調理もできるため、停電時には強い味方になるでしょう。
まとめ
薪ストーブとログハウスは、見た目だけではなく機能面でも相性のいい組み合わせなので、ログハウスを建てる方の中でも人気があります。また昨今の薪ストーブは、クラシカルなデザインだけではなく、モダンなデザインも揃えているメーカーが多いため、イメージするログハウスに合わせて選ぶ楽しみもあるでしょう。
薪ストーブ本体の市場相場価格は、メーカーなどを気にしなければ、5万円程度でも購入できますが、性能や丈夫さなども考慮すると100万円以上するものもあります。また、設置工事の費用や煙突部材の費用などもいれると、本体価格のほかに、30万円から60万円以上の設置費用がかかります。
薪ストーブは、唯一再生可能な資源を使用している暖房器具でもあるので、エネルギー不足が言われている昨今、注目すべき暖房器具かもしれませんね。ログハウスの雰囲気と相性抜群の薪ストーブを是非検討してみてください。
※TALOインターナショナルでは薪ストーブの取り扱いはございません。薪ストーブに関するお問い合わせは、各薪ストーブメーカー及び販売店にお問い合わせください。