ログハウスの蓄熱性能
ログハウスが寒さの厳しい北欧で発展したということからもわかるように、ログハウスはとても暖かい建物です。
コンクリートの10倍以上もあるという木の高い断熱性能に加え、一度温まると冷めにくいという優れた蓄熱性能が、快適な暮らしを叶えてくれます。
木は断熱性能と蓄熱性能のバランスが取れた建材
下の表は「木材」「グラスウール」「コンクリート」という3つの建材の断熱性能と蓄熱性能を比べたものです。専門的な単位や記号が並んでいますが、まず注目してほしいのが「容積比熱」です。これは蓄熱性能を表す指標で、数値が大きいほど温まりにくく冷めにくい性質を持っています。木材の容積比熱は520(kJ/㎥K)で断熱材として知られるグラスウールの約40倍、コンクリートは木材のさらに4倍近くあります。しかし、コンクリートは熱の移動のしやすさを表す「熱伝導率」や、温度変化の速度を表す「熱拡散率」が大きいため、保温性で劣ります。またグラスウールは容積比熱が小さく蓄熱性が低いため、一般的な在来工法の壁は蓄熱性が低いことがわかります。つまり、高い蓄熱性能と断熱性能をバランスよく持っている建材は、木材だということになります。蓄熱性能の高い建材が使われている建物は“冬暖かく夏涼しい”ため、すべてが木でできたログハウスは、冬場は暖房を切ったあともゆっくりと熱を放射し、夏は冷房を切ったあとも蓄冷してくれる省エネな建物なのです。
・容積比熱
単位質量の物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量。
容積比熱が高いほど蓄熱性能が高い
・熱伝導率
材厚1mの両表面の温度差が1℃のとき、
1時間で材内部を伝わる熱量。
小さいほど熱を伝えない
・熱拡散率
熱の温度変化の速度。値が小さいほど温度変化しにくい
高い蓄熱性能が温度変化の少ない快適で経済的な住空間を実現
TALOがこだわる「総ログ構造」の建物と、1階だけがログの「混構造」、そして「在来工法」という3つの建物について、温熱環境シミュレーションによって室温変化を比較したところ、混構造や在来工法の建物はグラフが左右に広がり温度変化が大きかったのに対し、総ログ構造の建物は温度変化が緩やかで、最低室温と最高室温の差が小さいことがわかりました。総ログ構造の建物は夏季でも室温が高温になりにくく、電気代(冷房費)は混構造に比べ24%削減可能という結果が出ています。さらに、窓を開けて通風すると冷房費削減効果はより高くなり、電気代は40%の削減となりました。このシミュレーションを寒冷地で行った際も同様の結果が出ており、暖房においても同様の比較で10%の削減となりました。このように蓄熱性能がより高い総ログ構造の建物は室内の温度変化が少なく、経済的なメリットに加え、ストレスのない快適な空間の実現に貢献します。