ログハウスの調湿性能
近年、木造建築物の健康・省エネ特性に関するデータ収集や分析といった研究が進み、木が持っている優れた特性が科学的に明らかにされつつあります。
そのひとつが木材を使った建物の、室内空間における調湿性能です。
木材は吸放湿することで室内の湿度を調整しているという事実を、実験データも交えて紹介します。
木はみずから吸放湿を繰り返して空間内の湿度を調整する
木は室内に湿気が溜まると吸収し、乾燥してくると湿気を放出する性質があり、空間内の湿度変化をゆるやかにする働きがあります。つまり、木はみずから呼吸することで、室内の湿度を自動で「調湿」する働きがあるのです。木は、まさに“呼吸する素材”です。吸放湿によって室内の急激な湿度変化をやわらげる木の調湿効果によって、結露や
カビの発生が抑えられ、建物の耐久性も上がります。さらに、居住空間の湿度を快適なレベルに保つことは安眠にもつながり、人間の健康にも良い影響を及ぼします。
パイン材と石膏ボードによる吸放湿試験でログ材の数々の特性が明らかに!
下のグラフはTALOログハウスに用いられるフィンランドパインと、石膏ボードの吸湿性と放湿性を比較したものです。12時間の吸放湿試験では、フィンランドパインが湿気を吸収し続けたのに対し、石膏ボードは試験開始2時間ほどで吸湿の限界に達し、12時間後の吸湿量の差は約4倍と大きく開きました。さらに12時間の放湿試験を行ったところ、フィンランドパインはゆっくりと放湿を続けましたが、石膏ボードはすぐに初期状態に戻りました。
このように、ログ材は吸放湿を繰り返すことで室内の湿度を調整しているということが明らかになりました。これまでログハウスのオーナーの実感として語られていた「ジメジメしない」「洗濯物がよく乾く」「ホコリが舞いにくい」という感想が、データで裏づけられたわけです。