vol.2 2023
手づくりを楽しむ
森の中のログハウス
COLUMN | 炎のある暮らし
TALO’s Loghouse
手づくりを楽しむ森の中のログハウス
[長野県安曇野市 Y 様邸]
木漏れ日の中で落ち着きあるたたずまいを見せるログハウス。周囲の自然に美しく馴染んでいる。
木漏れ日の中で落ち着きあるたたずまいを見せるログハウス。周囲の自然に美しく馴染んでいる。
長野県安曇野市。澄み切った空気が漂う森の中に、静かにたたずむログハウスがあります。
オーナーのYさんが別荘としてこのログハウスを建てたのは、およそ8 年前。それから現在に至るまで、ご夫妻で頻繁に東京から足を運び、充実した時間を過ごしているといいます。
おふたりの共通の楽しみは、庭づくり。およそ3 9 0 坪もある庭は、場所ごとに和風、英国風といったテーマに合わせてこしらえてあり、見る人を飽きさせません。石を敷いた小道やメダカが泳ぐ池、カラフルなガーデンハウスも自分たちでつくったそうです。
その出来栄えは、どれもプロ顔負け。Yさんは「夫婦で好きなことをやっているだけ」と笑いますが、オリジナリティある美しい世界をつくりあげています。
DIYで建てたガーデンハウスは、キッチンと同じ色のティファニーブルーで仕上げた。石を敷き詰めた池も手づくり。
玄関側には車寄せがあり、雨の日でも濡れずに出入りができる。
明るい南側のダイニング。
アナログレコードが数百枚並ぶ、御主人の趣味部屋。
玄関ホールは開放感たっぷり。
居心地のいいテラス。
廊下の奥にはアンティークのステンドグラスが。
清潔感がある、白く塗装した洗面所。
室内の雰囲気もまた格別です。開放感ある玄関を抜けてL D Kに入ると、まず目に入るのがティファニーブルーに塗られたキッチンカウンター。鮮やかな色が、全体的に落ち着いた雰囲気の中に上品な華やかさをもたらしています。
重厚感あるインテリアの多くは、アンティークかご主人がアンティーク風に仕上げたハンドメイド作品。こだわりが感じられるものばかりで、どれもログハウスの風合いにしっくりと馴染んでいます。
「ログハウスは木の温かさが感じられる快適な住まい。ここで過ごすと、そのことがよくわかります」と話すYさん。安曇野の美しさとログハウスの住みやすさに魅了され、いずれこちらに移住する予定なのだそうです。
自然を感じるログハウスで、好きなものだけに囲まれて暮らす。ご夫妻の豊かなログライフは、これからも続きそうです。
バーボン「ブラントン」のボトルキャップ全8種の希少なコレクション。手づくりのスタンドに飾っている。
ソファは、ご夫妻それぞれが気に入ったものを選んだ。
庇を延ばして増築したDIYスペース。
ハンドメイドの楽しみ
「大きさや色が自由に選べて、世界にひとつだけのものができるのが手づくりのいいところ。それはとても贅沢なことだと思います」とYさん。チェアやシェルフなどの家具類やエクステリアの飾り、ガーデンハウスなど、なんでも自作してしまう。最新作は、アンティーク調に仕上げたカート。
[ DATA ]
- 延床面積135.62m²(41.02坪)
- 1F82.80m²(25.04坪)
- 2F52.82m²(15.97坪)
- テラス23.69m²(71.66坪)
- 建設地長野県安曇野市
- PLAN特注
- ログ材フィンランドパインラミネートログ112mm
- 外装塗料ノンロット ダークオーク(2回塗り)
- ※その後再塗装済み
- 設計•施工TALO松本 (株)フジ・システムズ
[ DATA ]
- 延床面積135.62m²(41.02坪)
- 1F82.80m²(25.04坪)
- 2F52.82m²(15.97坪)
- テラス23.69m²(71.66坪)
- 建設地長野県安曇野市
- PLAN特注
- ログ材フィンランドパイン
- ラミネートログ112mm
- 外装塗料ノンロット ダークオーク(2回塗り)
- ※その後再塗装済み
- 設計•施工TALO松本 (株)フジ・システムズ
COLUMN
炎のある暮らし
あなたの理想のログハウスとともに、薪ストーブのある暖かな冬を想像してみてください。
はじめに
暖炉や薪ストーブは、寒さの厳しい欧米諸国では一般住宅の主暖房として長い歴史があります。日本では山小屋や別荘などの限られた場所での使用がほとんどでしたが、ここ数年都市の一般住宅でも薪ストーブを楽しむ人が増えています。その背景には、世界的な環境意識の高まりや、停電時の備え、コロナ禍による住まい環境の見直し、本物志向のライフスタイルを求める風潮があります。薪ストーブの優れた暖房能力、炎がもたらす心理的効果、環境負荷が極めて少ない再生可能な自然エネルギーを用いることなどが認識されるようになり、ようやく日本にも炎の文化が根付き始めたようです。
北欧で生まれ育った薪ストーブ
一年の半分以上が雪に閉ざされる北欧では、暖房は毎日の生活と切り離せない必要不可欠なもの。そんな北欧の人々が信頼できる暖房器具として選ぶのが密閉式の暖炉や薪ストーブです。開口部に扉をつけた密閉式は、室内の空気の大量排出を防ぎ、必要最小限の燃焼空気を燃焼炉内に送ることで、高い暖房効率を実現します。さらに扉にガラスが付き、ゆらめく炎も楽しめるようになったのです。
人にやさしい暖かさの秘密
鋳鉄製の薪ストーブで薪が燃焼すると、輻射熱とともに遠赤外線が大量に放出されます(鋼板製にはない特徴です)。輻射熱は直接熱いと感じますが、遠赤外線は身体の内部にまで達し、皮膚下にある「温点」を刺激することで、身体を芯から暖めます。部屋の温度をあまり上げずに遠赤外線で身体を暖めてくれるので、室内が過度に乾燥することもなく、エアコンやファンヒーターでは得られない、日だまりのようなやさしい暖かさが得られるのです。
また一般の暖房機器がスイッチのオンオフを繰り返す部屋ごとの断続暖房であるのに対し、薪ストーブはその高い暖房能力から1台で家全体を暖めることが可能な上、最初に火をつけたらその後は熾き火が暖めてくれる継続暖房が基本です。これにより温度差による結露の発生が抑えられ、室内のホコリっぽい汚れた空気もストーブ内で燃焼して外に排出してくれます。
さらに、薪ストーブには優れた癒やし効果もあります。キャンドルの炎でも、そのゆらめきを見ているだけで不思議と心が落ち着くもの。これは人間にとって心地よく感じるリズムやパターンである『1/fゆらぎ』が関係しています。自然の中の音や、光、波などに表れ、ログハウスの木目や年輪の模様にも存在するのです。
薪ストーブのご紹介
クッキングストーブで食卓も豊かに
薪ストーブの揺らめく炎を眺めて、温かいお料理を味わいながら、ゆったりとくつろぐ。そんな素敵な暮らしなら、肌寒い冬の季節が待ち遠しくなります。薪ストーブは、トップの熱や火室で調理できるものもありますが、本格的に楽しみたいのなら“クッキングストーブ”。クッキングストーブとは、火室とは別にオーブンスペースが付いたストーブのことです。日頃からご自身のお料理教室でクッキングストーブを扱う西垣内様に、おすすめのストーブ料理を教えていただきました。
お料理を教えてくれたのは
TALOログハウス在住 西垣内様
お料理教室「山ねこKitchen」
長野県・住宅・IE-52アレンジ
設計・施工:TALO 大阪・兵庫