vol.3 2023
心も身体も癒やされる
開放的なログハウス
COLUMN|庭のある暮らし
心も身体も癒やされる
開放的なログハウス
COLUMN|庭のある暮らし
心も身体も癒やされる
開放的なログハウス
COLUMN|庭のある暮らし
TALO’s Loghouse
心も身体も癒される、開放的なログハウス
[長野県茅野市 鈴木様邸]
片流れ屋根のスタイリッシュな外観。躯体はブルー、デッキの柱と手すりはホワイトという爽やかなカラーリングが、森の緑に美しく映えます。
片流れ屋根のスタイリッシュな外観。躯体はブルー、デッキの柱と手すりはホワイトという爽やかなカラーリングが、森の緑に美しく映えます。
爽やかな高原の緑の中にひっそりと佇むログハウス。東京で暮らす鈴木さんが、豊かな自然の中、家族でゆったり過ごせる場所が欲しいという思いから2015年に建てた別荘です。
建築にあたって心掛けたのは、開放的で自然との一体感がある空間づくり。そのため間仕切りや柱を極力少なくし、リビング全体を大きな吹き抜けにしています。また北側のログ壁の高さを出し室内空間を広げるとともに、南側のほぼ全面を窓にすることで、隅々まで明るく広々とした居住空間を実現しています。
もうひとつこだわったのがウッドデッキです。奥行きを2.5mに広げたウッドデッキは、チェアやテーブルを置いても十分に余裕がある広さ。LDKと床の高さを合わせてつながりを出し、さらに天窓付きの屋根も設けることで、第2のリビングとして快適に過ごせる場所にしました。
玄関がある北側。躯体から屋根を伸ばして車庫にしています。
壁や柱が少なく、高さがあるLDKは開放感抜群。南側の大きな開口のほか、天窓からも光が入ります。ダイニングの上の2 階は、畳敷きのフリースペースになっています。
窓からは深い森が望めます。
リビングの一角には、ごろりと横になれる畳敷きのスペースが。
白いドアが清潔感のあるエントランス。
玄関ドアは片側が全面ガラスの開放的な親子扉。
家族みんなで料理が楽しめるオープンキッチン。
ご主人お手製のスペアリブとピザで楽しくランチ。
広々としたデッキは屋根付きだから日差しが強い日や雨の日でも使えます。
「家のどこにいても自然に包まれている感じがします。とてもシンプルな間取りですが、もう一度建てるとしても同じにしたい。それくらい気に入っています」と笑顔の鈴木さん。夏はウッドデッキに置いたデッキチェアに座ってリラックス、冬は薪ストーブの暖かさを感じながら音楽鑑賞など、一年を通してログハウスでの豊かな時間を楽しんでいるそうです。
「家族でゆったり過ごすだけでなく、知人や友人を呼ぶことも多いですよ。デッキに置いたピザ窯やグリルでつくった料理でおもてなしをすると、皆さん喜んでくれます。東京で集まるのとは全く違い、ここだとお互い心からくつろいで過ごせますね」
自然の癒しを感じられる理想の暮らしがここにありました。
ペレットが燃料のピザ窯。薪よりも気軽に使えて便利だそう。
ハンドメイドの楽しみ
「このログハウスに来るようになって木工をするようになりました。上手い下手は関係なく、自分で作品を作ると愛着が湧きます」と鈴木さん。きれいに薪が積まれた薪棚もツーバイ材を使って手作りしたもので、白くペイントすることでログハウスと統一感を出しています。
[ DATA ]
- 延床面積107.48m²(32.51坪)
- 1F63.80m²(19.29坪)
- 2F43.68m²(13.21坪)
- テラス34.28m²(10.36坪)
- 建設地長野県茅野市
- PLAN特注
- ログ材フィンランドパインラミネートログ112mm
- 外装塗料ティックリラ・バルッティオパーク2683
- (2回塗り)
- 設計TALO東京
[ DATA ]
- 延床面積107.48m²(32.51坪)
- 1F63.80m²(19.29坪)
- 2F43.68m²(13.21坪)
- テラス34.28m²(10.36坪)
- 建設地長野県茅野市
- PLAN特注
- ログ材フィンランドパイン
- ラミネートログ112mm
- 外装塗料ティックリラ・バルッティオパーク
- 2683(2回塗り)
- 設計TALO東京
COLUMN
庭のある暮らし
ハーブ&ガーデニングコーディネーターである長谷川さんに、ご自身のお庭づくりについて語っていただきました。
長谷川さんのログハウス。写真は東側のお庭
それは数10年ほど前、都内にある小さな書店の店頭に積んである一冊の本を何気なく手に取った事から始まりました。中を覗いてみると、突然そこには息を飲む程の美しい光景が目に飛び込んで来たのです。その本はターシャ・テューダーというアメリカの絵本作家の老婦人が暮らす美しい庭に囲まれた古い木の家の写真と、彼女の言葉の数々が綴られたものでした。森の木々や草花に包まれた小さな木の家は優しい温もりを放ち、私はまるで童話の世界に迷い込んだかのようでした。更にページを進めていくと養蜂や畑を耕しながらガスや電気も一切使わずに、昔ながらの方法で身のまわりのありとあらゆる物を自分の手で作っていることが書かれていました。その頃の私は大学進学のため地方の田舎町から上京して以来、
すっかりと便利な都会の生活に慣れ親しんでいました。やがて家庭を持つと田舎に帰る気など全く持てず千葉県内の街中に集合住宅の一画を購入し、何不自由無く生活を送っていたのです。しかしその本を手にした途端、ふと昔の懐かしい思い出が頭の中をよぎりました。そしていつの間にか自然の中で草花の匂いや虫を追いかけながら遊んでいた子供時代を忘れてしまっている自分に気がついたのでした。それと同時にいつの日か彼女の様に自然の中で草花と共に実りのある暮らしをしたいという思いが次第に込み上げて来ます。とは言え、直ぐにそのような夢が叶うほど現実は甘くはありません。願いはあっても子供達の教育や日々の生活に追われ、夢はどんどん遠ざかって行きます。
それでもやがて子供達も巣立って行き、様々な困難を乗り越えながらもやっと自分の夢を叶える機会が巡って来ました。
畑や庭で採れた野菜とハーブを使って料理を楽しむ長谷川さん夫婦
自作のゲストハウスがある南側のお庭。外でアフタヌーンティーを楽しむこともあるそう
その間20年程の歳月を費やしてしまいましたが、それでも諦めないで良かったと思っています。そうして先ずは土地探しから。森の中に約300坪ほどの土地を購入しました。そのぐらいが広過ぎず狭過ぎず自分の庭作りに丁度良い広さだと思ったからです。次はイングリッシュガーデンと調和する家を探すこと。控えめでシンプルで小さな平屋のログハウス。TALOのGROOVE FLAT を選択するのに殆どと言って良いほど時間はかかりませんでした。それが書店で本を取り上げて以来の自分が思い描いていた家そのものだったからです。
家の完成後は妻と2人、なるべく環境問題や健康に留意しながら生活をしています。畑で自然栽培の野菜を育て、日本ミツバチを飼い、草花は挿し木をして増やし、庭で使う敷石や枕木などは知人から譲り受け再利用しながら自分達の手で作る事を心がけています。質素ではありますが小さな幸せを大切に、これからもゆっくりと一歩ずつ歩んで行こうと思っています。
ハーブのある生活を楽しむ
長谷川さんのお庭づくり
東西南北側と方向によってテーマを変えた庭づくりをしています。表に面している東側のボーダーガーデンには直ぐに料理に使えるようにローズマリーやタイムなどの様々な種類のハーブを植えています。北側は常緑樹であるコニファーガーデンを作りました。西側には主に紫陽花を植えて梅雨の時期には窓の内側から一面に花が咲き乱れるのを楽しむことが出来ます。そしてメインの南側には低木や宿根草、一年草などを織り交ぜた田園風ガーデンを作っています。これからの計画はゲストハウスの前に白い花だけを集めたホワイトガーデンを作ろうと思っています。
ヨモギのマフィン
まだ肌寒さが残る初春に芽を出したばかりの柔らかいヨモギの葉を摘んで茹で、小分けにしたあと冷凍庫に入れて保管しています。そして時々思い出したように取り出してはマフィンやパウンドケーキ、スコーンなどを作ります。色も鮮やかながらヨモギはハーブの女王と呼ばれるほど効能に優れており、浄血や造血作用、デトックスや美容効果があると言われています。庭仕事の後、一息つきながら食べる手作りケーキの味は格別です。
庭の中で育てているハーブ達は料理だけではなく、お茶にしたり、石鹸やシャンプー、ドライフラワーを作ったりと用途は様々。日々の生活に役立っています。
手作り歯磨き粉
誰もが歯磨き粉を自分で作れるなどとは考えませんが、実はとても簡単に作ることが出来ます。材料はカオリンと呼ばれるケイ酸アルミニウムを主成分としたパウダーと植物性グリセリンとハッカ油を混ぜ合わせただけで全て天然由来の材料を使用しています。発泡剤や保存料などの人工添加物を全く使用していないので、お口の粘膜をそれらの強い刺激から守ることが出来ます。お好みでティートゥリーやローズマリーなどの殺菌成分のあるアロマオイルを数滴加えても良いかも知れません。自分で作ることによってプラスチックのゴミも減らすことが出来るので健康にも環境にも優しいと言えます。
長谷川良二さん
千葉県のTALOログハウス在住。ハーブ&ガーデニングコーディネーターの資格を取得して公民館で講習を行うほか、地域新聞にハーブや森の中での生活について執筆中。日本ミツバチの養蜂なども行っている。
千葉県・住宅・GROOVE FLAT
設計・施工:TALO 南千葉